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特集SPECIAL FEATURE

トトロの茶筒~時とともに深まる風合い~

2026.03.06

ジブリ美術館×開化堂

京都に工房をかまえる開化堂。
創業150周年という節目を迎えた手作り茶筒の老舗から、三鷹の森ジブリ美術館オリジナルの茶筒が届きました。
職人が伝統の技で、ひとつひとつ丹念に仕上げた、特別な茶筒。時の流れとともに深まる風合いを、どうぞ末永くお楽しみください。

【予約商品】ジブリ美術館オリジナル 茶筒 となりのトトロ/49,500円(税込)

手から手へ受け継がれた伝統の技

京都の静かな街並みに佇む、開化堂の工房へ。
暖簾をくぐる瞬間に感じたのは、伝統の技が紡ぎ出される現場に立ち会えるという、静かな期待感でした。
六代目・八木隆裕さんに工房内をご案内していただきました。

数値化せずに“感覚”で引き継ぐ~蓋がすーっとしまる秘密

開化堂の茶筒は、130以上の工程を職人の手仕事で仕上げています。その最大の特徴は、精緻な気密性。継ぎ目を合わせると、自重でゆっくりと、すーっと吸い込まれるように蓋が閉まります。100年使い込んでもその精度は変わらず、修理を重ねることで一生、あるいは世代を超えて使い続けることができます。
その工程の一部をご紹介します。

〈茶筒になる前の銅板を切り出す〉

開化堂の茶筒づくりは、歴史を刻んだ2台の大きな裁断機から始まります。「押し切り」と足踏み式の「シャーリング」、30年もの間、共に時を刻んできました。
定期的に研ぎに出し、大切に手入れされた刃が、硬い銅板を鮮やかに切り分けていきます。
大きな銅板を中くらいへ、そして小さな1枚へと。切り出されたばかりの断面には、「バリ」と呼ばれる尖った部分が残ります。それを丁寧にヘラで擦り、裁断のときに少し端が反った板を上から叩いて整えていく…。時には、職人が耳栓をしなければならないほどの、力強い音が工房に響きます。
この手間が、指先にすっとなじむ、角のない柔らかな手触りを生み出します。

〈丸まった素材の仮留め〉

切り出した銅板を丸く曲げ、少し重なりを作ります。そこを、ひとつひとつ手作りされた「ハッソ」というクリップで留めます。ハンダ付けする目印の線を隠しつつも「ほんの少しだけ線が見える」絶妙な塩梅が大切とのこと。まさに職人の感覚の世界です。
お花の模様にはハンダが流れないよう、修正ペンが堤防代わりに塗ってあるのに驚きました。「これがない時代はどうしてたんやろね」と八木さんが笑顔で教えてくださいました。

〈仮留めしたところのハンダ付け〉

ハンダ付けはふたりで行います。火床を挟んで向かい合って座り、ひとりが溶剤をハンダ付けする部分に塗り、もうひとりがハンダ付けをします。タイミング良く塗らなければならないので、ふたりの呼吸がとても大切です。

〈突き上げの工程〉

まず、筒状の胴と底板を合わせます。

中へ芯となる円筒を押し込み、「コンコン」と叩いて高さを調整します。その後、ガラス板の上に乗せて水平かどうかを確認。少しでもカタカタと揺れれば、金槌の出番です。底板の出具合を、金槌で叩いて微調整します。「これくらい」という決まった正解はありません。指先に伝わる手応えだけを頼りに、平らな底面にしていきます。まさに長年の経験が成せる、感覚の手仕事です

〈底部分のハンダ付け〉

ハンダ付けの工程で目を引くのは、「緑色の火」が揺れる火床です。これは熱せられた銅のコテによる炎色反応。職人はそのコテを水に「ジュッ」とつけ、その響きだけで最適な温度を感じ取ります。

溶剤を塗り、左手でくるくると円筒を回しながら、迷いなくハンダで茶筒の胴と底板を接合していきます。この滑らかな動きができるようになるまでには、長い修行が必要とのことです。
五感のすべてを使い、美しい茶筒の筋が生まれていきます。

〈「すーっ」と閉まる、魔法のふくらみをつける〉

いよいよ、滑らかに蓋が閉まる秘密の工程です。
まず、2つのローラーが付いた機械を使い、本体と蓋が重なる部分に、絶妙な「ふくらみ」をつけていきます。
次に、同じ番号が振られた本体と蓋を合わせ調整します。職人は蓋の閉まり具合を「堅い・柔らかい」と表現し、「柔らかい」ときは、本体をコンコンと叩いて微調整します。ひとつひとつ、吸い付くような「堅さ」になるまで根気強く向き合うことで、あの魔法のような密閉感が生まれるのです。

〈磨きの工程〉

茶筒の仕上げは、昔ながらの手法で、水と砥石粉(とのこ)を用いた磨きの工程です。かつては足踏み式だったという回転機も、今は電動へ。職人はマスクを深くつけ、筒を磨き上げます。
その工程は、なんと1個につき11~12段階。
ヤスリから始まり、3種のタワシを使い分け、水を差しながら金ダワシで何度も磨きます。さらに棒の先に布を付けた自作の道具や油、砥石粉(とのこ)を駆使し、最後は除光液で清めます。
職人さんの、身体に染み付いた勘と、迷いのない手捌きが透けて見えます。この妥協のない繰り返しを経て、しっとりと柔らかな輝きが生まれるのです。


お客様が使ってはじめて完成~使用するうちに変化していく過程を楽しむ

「100年使い続けられる道具をつくるということは身が引き締まる思い」と八木さんは語ります。
その価値を守り続けるものづくりには、伝統を背負う覚悟と矜持が込められています。

たくさんの茶筒。中には100年前のものもあります

手でなでて、育てる楽しみ
「お客様には、毎日手でなでてほしいんです」
八木さんはそう言って、愛おしそうに茶筒を見つめます。大切なのは、しまい込まずに、「使い込む」こと。日々手に取り、まんべんなくなでてあげることで、驚くほど深みのあるいい色へと育っていきます。
「使ってもらうこと」で初めて、開化堂の茶筒は完成へと向かうのです。

約2ヶ月間使用でこのくらいの色変化があります


どんぐりに隠れた、小さな「遊び心」


内ブタのつまみにあしらわれたどんぐり。よく見ると、なんとそこには小さな虫の姿が!「どんぐりの目」ではなく、ひょっこりと顔を出した「虫の目」に見えるよう、細部までこだわり抜かれた意匠なのです。
本物の虫が顔を出しているかのような絶妙な表情を生み出すため、職人も試行錯誤を重ねて苦労したのだとか。
開けるたびに思わずふっと頬が緩んでしまう特別な仕掛けです。


想いを分かち合う、一生ものの暮らしの道具
「工芸」とは、ただの「品物」ではなく、作り手と使い手が想いを分かち合うための「共通言語」のようなものだと、六代目の八木さんは言います。
毎日手でなでて、ゆっくりと時間をかけて育てていく茶筒は、手仕事の温もりを通じて、作り手の想いと使い手の暮らしが響き合う、一生ものの暮らしの道具。
人生の新たな門出を迎える方への贈りものや、大切な節目でのご自身へのご褒美にもぴったりです。

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