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特集SPECIAL FEATURE

三鷹の森ジブリ美術館 ライブラリーより~ミッシェル・オスロ監督~

2026.01.16

世界の優れたアニメーションを、ジブリ美術館がセレクトし広く紹介する活動、それが「三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー」です。これまで高畑勲監督・宮﨑駿監督がおすすめする作品を中心に、世界の名作の数々をシリーズ化してお届けしてきました。

『キリクと魔女』『アズールとアスマール』『夜のとばりの物語』『夜のとばりの物語-醒めない夢-』『ディリリとパリの時間旅行』『古の王子と3つの花』DVD 各4.180円(税込)/Blu-ray 各5.170円(税込)(※Blu-ray『夜のとばりの物語』『ディリリとパリの時間旅行』除く)

フランスのアニメーション映画監督ミッシェル・オスロ(Michel Ocelot)の作品は、『キリクと魔女』や『アズールとアスマール』、『夜のとばりの物語』、『古の王子と3つの花』などが、「三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー」を通じて日本で紹介されています。
高畑勲監督はオスロ監督の長編デビュー作『キリクと魔女』に深い感銘を受け、「なんとかして日本の観客に届けたい」と強く感じました。一方のオスロ監督もまた、日本の絵画や漫画に親しみ、高畑監督を尊敬していました。
高畑監督の熱意は、単なる紹介に留まりませんでした。自ら吹替版の翻訳・演出・監修を手掛け、オスロ作品の持つ繊細な言葉の響きや想いを、日本の観客に伝えるために力を尽くしました。こうした監督同士の絆があったからこそ、オスロ監督の独創的な作品群は、今もなお日本で多くの人々に愛され続けています。


『キリクと魔女』 (1998年、日本公開2003年)

鮮やかな色彩と独特のアニメーションスタイルが特徴の本作は、1998年のフランス公開と同時に大ヒットを記録し、同国のアニメーション史上歴代興収No.1に輝きました。その後もアヌシー国際アニメーション映画祭でのグランプリ受賞をはじめ、数多くの賞を受賞しています。
物語の舞台はアフリカの小さな村。魔女カラバの呪いに苦しめられる村を救うため、生まれてすぐに自らの足で立ち上がった少年キリクの冒険が描かれます。
本作は、文化的な対比や非暴力という普遍的なメッセージを織り交ぜながら、知恵と勇気で困難に立ち向かうキリクの姿を通じて、深い感動をお届けします。その高い芸術性と、心に響く語り口も多くの人の心を捉えた作品です。


『アズールとアスマール』 (2006年、日本公開2007年)

本作は、異なる文化背景を持つ二人の少年の絆を描いた物語です。
乳兄弟として共に育ちながらも、肌の色や身分の違いによって離ればなれになったアズールとアスマール。成長した二人が、伝説の「ジンの妖精」を救い出すために再会し、競い合いながらも手を取り合って未知なる冒険へと突き進みます。
本作の最大の魅力は、息を呑むほどに美しい色彩と、精緻な3DCGが融合した独創的な映像表現にあります。イスラム美術を彷彿とさせる幾何学模様や鮮やかな色彩は、観る者を異国情緒あふれる幻想的な世界へと誘います。
その根底に流れるのは「異文化理解」という深いテーマです。対立を乗り越えて互いを認め合う二人の姿は、現代を生きる私たちに大切なメッセージを届けてくれます。目を見張るような映像美の中で、多様性と共生の尊さを描き出した作品です。


『夜のとばりの物語』 (2011年、日本公開2012年)

光と影、そして圧倒的な色彩美で紡がれる影絵アニメーション作品です。
ミッシェル・オスロ監督ならではの繊細な「影絵(シルエット)技法」は、黒い輪郭が背景の鮮やかな色彩をより一層際立たせ、まるで宝石箱を覗き込んでいるかのような幻想的な美しさを湛えています。
舞台は、夜のとばりが下りた街にひっそりと佇む古い映画館。そこで映写技師と二人の子どもたちが語り合う中から、古今東西の異なる時代や文化を背景に、呪いや困難に立ち向かう少年少女の純粋な愛を描いた6つの物語がスクリーンに映し出されます。


『夜のとばりの物語-醒めない夢-』(2012年、日本公開2013年)

『夜のとばりの物語』の続編となるオムニバス作品です。
前作と同じく、夜の古い映画館を舞台に、映写技師と二人の子どもたちが紡ぎ出す「5つの新たな夢」が描かれます。
本作の魅力は、ミッシェル・オスロ監督の真骨頂である「影絵(シルエット)技法」のさらなる深化にあります。漆黒のシルエットが、宝石のように煌びやかな色彩を背景に舞い踊る独特の映像美は、観る者を一瞬にして異国の幻想的な物語へと引き込みます。
怪物と恋に落ちる少女の物語や、呪われた王子の冒険など、時代も国も超えて繰り広げられる愛と勇気の物語です。


『ディリリとパリの時間旅行』 (2018年、日本公開2019年)

本作は、ベル・エポック時代のパリを舞台にした冒険ミステリーです。
物語の主人公は、ニューカレドニアからやってきた風変わりな少女ディリリ。彼女はパリの案内人オレルとともに、街を騒がせる少女誘拐事件の謎を追います。その過程で出会うのは、ピカソ、モネ、キュリー夫人、サラ・ベルナールといった、実在した数々の天才たち。
最大の特徴は、ミッシェル・オスロ監督自らが撮影した実写の写真と、鮮やかなCGアニメーションの融合です。オペラ座や凱旋門、エッフェル塔といった美しい建築物がそのまま背景として使われ、現実と幻想が混ざり合う独自の映像美を生み出しています。
2019年のセザール賞で最優秀アニメーション映画賞を受賞。華やかな時代背景の中に、多様な文化や価値観の共存という深いテーマを軽やかに織り交ぜた作品です。


『古の王子と3つの花』 (2022年、日本公開2023年)

古代エジプト、中世フランス、そして18世紀のトルコという、時代も場所も異なる3つの異国情緒あふれる物語。それぞれの時代の歴史や文化を背景に、自分を信じて道を切り拓く若者たちの姿が、鮮やかな語り口で描かれます。
第1話「ファラオ」は、ルーヴル美術館からミッシェル・オスロ監督へ「エジプトを舞台にした物語を作ってほしい」という直接の依頼(共同製作)を受けて制作されました。館蔵品の徹底的な調査に基づき、古代エジプトの壁画がそのまま動き出したかのような芸術的な映像美を実現。考古学的な正確さと幻想的な物語が見事に融合した、美術館公認のエピソードです。
そして、全編に流れるのは、知恵と勇気によって困難を乗り越え、暴力のない世界を願うメッセージです。


ミッシェル・オスロ監督(Michel Ocelot)

1943年、フランスのコート・ダジュール生まれ。ギ二アで幼少時代、アンジェで思春期を過ごす。芸術を勉強した後、独学でアニメーションを学ぶ。プロとしての初短編作品「3 人の発明家たち」(1979)でロンドンのBAFTA 賞を受賞。この映画以降、自ら全てのシナリオとイメージデザインを手掛ける。影絵を用いた「プリンス&プリンセス」(1999)など、短編作品やテレビアニメを多数制作し、セザール賞をはじめ数多くの賞を受賞している。2007年には、ビョークのPV「アース・イントゥルーダース」も手掛けている。1994年から2000年までASIFA(国際アニメーション協会)の議長も務めた。また、初の長編作品「キリクと魔女」(1998)での観客の高い評価によって一躍有名になり、「アズールとアスマール」(2006)も大ヒットを記録した。


2026年現在も、オスロ監督の作品群は「文化の壁を超えた普遍的な物語を、圧倒的な映像美と独創的な表現で描くアニメーション」として、世界中で愛され続けています。多様な文化への敬意と、人間の善性を信じるその温かな眼差しは、時代を超えて私たちの心に深く響きます。この機会にぜひご覧いただければと思います。


2026年2月21日(土)〜3月1日(日)、東京日仏学院にて、「ミッシェル・オスロ監督特集 動き出す世界たち」が開催されます。
ミッシェル・オスロ監督長編・短編作品の上映に加え、〈ミッシェル・オスロ監督の愛する映画たち〉として『かぐや姫の物語』(監督:高畑勲)の上映も予定されています。詳しくはこちらをご覧ください。

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