「スタジオジブリの美術」
スタジオジブリの劇場公開全作品の背景美術が1冊に。
「スタジオジブリの美術」には、『風の谷のナウシカ』から最新作『君たちはどう生きるか』まで、劇場公開27作品の背景美術が844点収録されています。
背景美術スタッフの心がこもった名作のあのシーン、このシーンの背景をじっくり堪能できる完全永久保存版です。
本書籍の監修を務め、多くのジブリ作品に参加してきた美術監督の武重洋二さんは長編映画1作品につき1000枚以上描かれる膨大な背景の中から、どのように選んだのか、このように語っています。
「作品自体をしっかり追体験できるようなかたちにした方が見やすいし、背景美術としての絵をより楽しんでもらえるだろうということになって、作品ごとにまとめるというかたちになりました。なので、映画をすべて観直すところから始めて、映像と絵コンテを見比べながら、このカットがいいというのをピックアップするところからスタートしました。」
宮﨑駿監督は「映画の品は美術できまります」と語っています。
「アニメーションの映画の雰囲気を最終的に決めるのは美術なんです。美術というのは世界を映す鏡なのだと思います。~中略~世界を見ようと思ったら、発見できる場所や陰影はちゃんとあります。それを見つけて絵の中に取り込むのが美術の仕事です。(三鷹の森ジブリ美術館図録・宮﨑駿 Interviewより)」
監修:武重 洋二 (たけしげようじ) 美術監督
監修者プロフィール:1964年、フィラデルフィア生まれ。多摩美術大学油絵科中退。
「となりのトトロ」(1988)の背景でジブリ作品に初参加。その後、数々のジブリ作品の背景を担当し、短編「On Your Mark」(1995)では初の美術監督を務める。その後も「もののけ姫」(1997)、「ホーホケキョ となりの山田くん」(1999)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004)、「ゲド戦記」(2006)、「借りぐらしのアリエッティ」(2010)、「風立ちぬ」(2013)と美術監督を歴任(共同を含む)。2023年公開の宮﨑駿作品「君たちはどう生きるか」にも美術監督として参加した。
他の参加作品として「王立宇宙軍オネアミスの翼」(1987)、「機動警察パトレイバー劇場版」(1989)、「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」(1995)などがある。「サマーウォーズ」(2009)では美術監督として第9回東京アニメアワード美術賞を受賞した。
武重さんがじっくり選んだ背景画は作品のどのシーンなのか、皆様すぐに分かると思います。
それは、スタジオジブリの背景画は登場人物の喜び、悲しみ、不安など心象風景をも映し出しているからではないでしょうか。
作品を観なおしてみたくなったり、筆で紙に絵の具を塗ってみたくなったり…皆様の気持ちを動かすこと間違いなしの一冊です。
書名:『スタジオジブリの美術』
仕様:A4(内寸297mmx210mm:外寸305mmx220mm/ハードカバー/568ページ(フルカラー) /厚さ35mm/重さ約2.6キロ